アスレチックリハビリテーション
アスレチックリハビリテーションとは
一般的なリハビリテーションは日常生活を行うに足る体力を獲得して、社会復帰することを目的としますが、スポーツ選手においては元の競技レベルへの復帰が目標となります。
そのためには傷害を受けた部位の速やかな治癒と機能回復をめざし、また復帰に備えて全身的な体力の維持・増進をはかる必要があります。さらには復帰後の再発予防に向けて必要な装具の処方や教育を行うことを含めたリハビリテーションが求められ、アスレチックリハビリテーションと呼ばれています。
具体的な内容
けがした場合を想定して説明します。
- 受傷直後
適切な応急処置を行うことは局所の炎症反応を最小限にととどめるばかりでなく、傷害部位の拡大を防ぐことで非常に重要です。直後からRICE処置*を行い、痛みや腫れが強い場合には専門医を受診してください。
*RICEとは
R:rest(安静) けがした部位の安静をとるために副え木などで固定する。
I:icing(冷却) 冷やすことで損傷部位の代謝を抑え、腫れの拡大を防ぐ。
C:compression(圧迫) 包帯などで圧迫し腫れを防ぐ。
E:elevation(高挙) けがした部位を心臓より高くして腫れがひくのを促す。
- 適切な診断のもと治療が開始
病態によって当初は患部の固定が必要となり、活動が制限されます。
この時期は、局所的な筋力維持と全身的な体力の維持が目標です。
筋力維持では、関節を動かさずにできる等尺性収縮が中心となり、心肺機能の維持には、患部の負荷を除きながらのエルゴメーターなどを用います。
- 可動性トレーニング
固定がはずせる時期になると、関節の動きを改善させることが求められます。温熱治療や超音波などを利用し、治癒を妨げない範囲での可動域訓練を行います。
- 安定性トレーニング
筋力を増強して、関節の安定性と滑らかな関節運動の回復を目指します。筋力訓練も、等張性収縮や等運動性収縮などさまざまな運動を加えていきます。
- 復帰に備えたトレーニング
筋の協調性や、全身運動の巧緻性の回復に加えて、専門的な動きや練習を加えていきます。この時期には再発予防にテーピングや装具なども併用し、また練習前後のケアについても注意を促します。
個々の症例において治療の時期は異なるため、患者さんを中心として、ドクター・理学療法士・コーチ・トレーナーの連携がきわめて重要と考えています。